100錦之介.com萬屋錦之介の世界

吉川英治の原作を成澤昌茂と鈴木尚之が脚色し、内田吐夢が監督した時代劇。撮影は坪井誠。関ケ原の合戦に参加するも敗れ、村に帰り、沢庵和尚に出会い、姫路城にこもりひたすら学問に打ち込む姿を描く。おなじみ吉川英治原作の剣豪・宮本武蔵の物語の第一部吉川英治の原作を成澤昌茂と鈴木尚之が脚色し、内田吐夢が監督した時代劇。撮影は坪井誠。

監督：内田吐夢
出演：萬屋錦之介、木村功、三國連太郎、入江若葉、木暮実千代、丘さとみ、浪花千栄子、花澤徳衛

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宮本武蔵 (1961)のストーリー

慶長五年九月、関ヶ原の合戦で西軍豊臣方は惨敗に終った。作州宮本生れの郷士の伜、新免武蔵（萬屋錦之介）と本位田又八（木村功）は野望を抱いて西軍に加わったが傷ついて、もぐさ家のお甲（木暮実千代）とその養女朱実（丘さとみ）に救われた。この母娘は戦場荒しを稼業とする盗賊だった。ある日、お甲の家を野武士辻風典馬の一隊が襲った。武蔵は典馬を殴殺し、又八は手下を追いちらした。そんな二人にお甲の誘惑の手がのびた。又八は許嫁お通を忘れお甲とともに姿を消した。宮本村に向った武蔵に、豊臣方残党詮議が厳しく、武蔵は人殺しを重ねつつ、故郷に向かった。武蔵召捕りのため姫路役人青木丹左衛門（花澤徳衛）が村の七宝寺を本陣として采配を振っていた。その頃、お通（入江若葉）のもとに又八からの縁切状が届いた。又八の母お杉婆（浪花千栄子）と権六叔父（阿部九洲男）は、又八の出奔を武蔵のせいにして武蔵を恨んでいた。七宝寺には沢庵坊主（三國連太郎）が居候していた。農繁期の盛りに百姓達は武蔵召捕りのためにかりだされた。みかねた沢庵はお通と二人で武蔵を生け捕りにしてきた。同じ捕るなら仏の慈悲という沢庵の言葉に武蔵は剣をすてた。だが、沢庵は境内の千年杉に武蔵を吊るしあげた。そして人間としての道を諄諄と武蔵に説いた。沢庵の大きな心を知らないお通は武蔵を哀れに思い、一夜、武蔵を助け共に宮本村をのがれた。武蔵は、囮として捕えられている姉を救出せんと日倉の牢に向ったが、姉は沢庵に救われていた。沢庵は武蔵を、姫路の白鷺城に連れていった。そして天守閣の開かずの間に武蔵を残し沢庵は去っていった。強いだけの武蔵に学問を習わせようというのだ。ここを暗黒蔵として住むのも、光明蔵として暮らすのも武蔵の心にある、という沢庵の言葉に、武蔵は学問にうちこんだ。この一室を母の胎内と思い生れ出る支度にかかろうと決心したのである。一方、お通は花田橋の竹細工屋喜助の店で武蔵が出てくるのを待つことになった。宮本村では、権六叔父を供に連れたお杉姿がお通成敗の悲願をかけて旅立った。